近年、ペットとして人気を集めているうさぎ。
うさぎの中でも、たれ耳うさぎのミニロップを飼いたい人も多いはず。
この記事では、ミニロップの特徴や性格、販売価格や飼い方、寿命、ホーランドロップとミニロップの違いに至るまでを解説しています。よかったら参考にしてください。
ミニロップの特徴
ミニロップは、中型のたれ耳のうさぎです。
理想的なミニロップは、よくバスケットボールに頭と手足が生えたような、と説明されることがあります。
そのくらい丸みを帯びた身体が特徴的なうさぎなのです。
ホーランドロップとの違い
ミニロップは、ホーランドロップとよく似ています。
しかし、大きく違う点は、その大きさ(体重)です。
ミニロップがバスケットボールくらいの大きさなのに対し、ホーランドロップはバレーボールかハンドボール程度の大きさしかありません。
また、遺伝子的にも、ミニロップはドワーフ遺伝子を持っていないこともホーランドロップとの違いになります。
ミニロップの歴史
ミニロップは、ドイツのビッグロップと小型のチンチラの交配から生まれました。
この2つの品種は、最初アグーチとルビーアイドホワイトでした。
ミニロップの前身である、ジャーマンロップは3.6kgでした。
それから、アメリカに渡ってきてジャーマンロップは、アグーチのロップとルビーアイドホワイトのメスのロップを交配し、ミニロップを作りました。
1974年、ARBAに出展した際には、もっとコンパクトである必要がありました。
そこから様々なミニロップの繁殖と淘汰を繰り返し、1980年、ついにミニロップは品種として認められたのです。
大きさ
大きさは、2〜3キロと言われています。
中には、骨太で3キロ超えをするミニロップもいます。
体長は、40cm〜50cm程度です。
ショーの基準
ミニロップがショーに出る基準としては、3kg未満とされています。
理想的な体重は2.5キロです。
他にも様々な基準が設けられています。
カラーバリエーション
すべてのうさぎのカラーは、ブラック(B)、ブルー(B_ dd)、チョコレート(bb)、ライラックベース(bb dd)のいずれかです。
ブルーはブラックの希釈形態であり、ライラックはチョコレートの希釈形態になります。
希釈されたブルーベース、ライラックベース、そしてチョコレートベースは、劣性遺伝子のため、ブラックベースよりも生まれにくくなっています。
ミニロップのカラーバリエーションはARBA(アメリカラビットブリーダーズ協会)公認で、7種類のグループに分かれています。
7種類のグループの説明とカラーバリエーション
グループ | 説明 | ブラック ベース |
ブルー ベース |
チョコレート ベース |
ライラック ベース |
---|---|---|---|---|---|
セルフ | 全体が同色。 ルビーアンドホワイトとブルーアンドホワイトもこのグループ。 |
ブラック | ブルー | チョコレート | ライラック |
シェイデッド | 影があるという意味で基本色がグラデーションをしていくカラー。濃い色は背中、頭、耳、足、尾、首の周辺にある |
セーブル、フロステッドパール |
スモークパール、フロステッドパール |
フロステッドパール |
フロステッドパール |
アグーチ | 毛の軸が3色以上に分かれている。毛に息を吹きかけるとリングに見える。 目、鼻、口、腹、耳の内側、尻尾の下に白色がある。 野生のうさぎに似ている色。 |
チンチラ、チェスナットアグーチ |
オパール、ブルーチンチラ |
チョコレートチンチラ |
リンクス、ライラックチンチラ |
ブロークン | ホワイトを基本色にARBA公認のカラーが耳、目の周り、鼻にある。 カラーの比率が10%以下は「チャーリー」と呼ばれ、70%以上は「booted」と呼ばれる |
ブロークンブラックなどのブラックベースカラー、ホワイト&ブラックベーストライカラー | ブロークンブルーなどのブルーベースのカラー、ホワイト&ブルーベーストライカラー | ブロークンチョコレートなどのチョコレートベースのカラー、ホワイト&チョコレートベーストライカラー | ブロークンライラックなどのライラックベースのカラー、ホワイト&ライラックベーストライカラー |
ワイドバンド | アグーチのマーキング(目/鼻/口/耳の内側/腹の周りが白)があるが、毛皮の先端に暗い模様がないのが特徴。 | オレンジ、レッド | クリーム | ||
チックドグループ | ベースの色とは違う上毛が体全体を覆っている | ブラックシルバーチップスチール、ブラックゴールドチップスチール | ブルーシルバーチップスチール、ブルーゴールドチップスチール | チョコレートシルバーチップスチール、チョコレートゴールドチップスチール | ライラックシルバーチップスチール、ライラックゴールドチップスチール |
ポインテッドホワイト | 身体の一部に違う色のポイントが入っている | ブラックポインテッドホワイト | ブルーポインテッドホワイト | チョコレートポインテッドホワイト | ライラックポインテッドホワイト |
日本ではまだ珍しくお目にかかれないようなカラーもあります。
うさぎ専門店などで見つけた際には一見の価値があるはずです。
性格
ミニロップは、比較的人懐っこい性格をしています。
また、活発で好奇心旺盛な子も多く、飼い主の後をついて回る子もいます。
警戒心の強いうさぎがいる一方、ミニロップは、それほど警戒心も強くなく、撫でられたりするのがとっても大好きです。
オスは、それがとても顕著で、甘えん坊代表といえるでしょう。
メスは、一般的には気が強いと言われていますが、基本的に人懐っこいため、気が強いと感じることも少ないかもしれません。
平均寿命
平均寿命は、7歳〜10歳程度と言われています。
しかしながら、昨今の飼育環境や医療の進歩により、10歳以上に長生きする子も少なくありません。
13歳や15歳など、とても長生きするミニロップもたくさんいるので、介護まで考えて飼うようにしましょう。
平均の販売価格
販売価格は、ブリーダーやうさぎ専門店、ペットショップで大きく異なります。
また、血統証の有無によっても、平均価格が大きく異なります。
ミニロップの購入方法
ブリーダーやうさぎ専門店
ブリーダーやうさぎ専門店で、ミニロップの購入を検討する場合、5万円〜13万円程度までの開きがあります。
平均すると、5万円〜7万円程度が多いようです。
ブリーダーやうさぎ専門店で購入する最大のメリットは、うさぎに詳しい店員さんから指導を受けて飼うことができる点です。
初めてうさぎを飼う方は、ブリーダーやうさぎ専門店から飼い方のレクチャーを受けてから飼うことをおすすめします。
その店舗出身のうさぎだと、ケアなどを積極的に行ってくれる専門店も多くあります。
血統証がついているかは、店舗に聞いてみてください。
ペットショップ
ペットショップで、ミニロップの購入を検討する場合、2万円〜4万円程度が多いようです。
一般的には血統証がついていないことが多いです。
里親制度の利用
里親でミニロップを飼うことを検討する場合は、保護団体などを確認してみましょう。
中には捨てられてしまい、里親を探しているということもあります。
うさぎを飼ったことがあり、飼い方を熟知している方が対象になると思います。
飼い主と幸せな生活をしてもらいたいものです。
ミニロップのお迎えから飼い方のコツと注意点
うさぎを飼うならば、少しでも快適に、少しでも長く一緒に暮らしたいと考えると思います。
ぜひ、お迎えから飼育方法を身につけ、うさぎにとって過ごしやすい環境を整えていきましょう。
お迎え1週間前から準備
うさぎを飼うと決まったら、お迎えの1週間前から準備を始めていきましょう。
特にミニロップだからといって、ほかのうさぎと変わるところはありません。
ケージの置き場所の確保や遊ぶスペース作りをして、お迎え準備を整えましょう。
お迎え準備は、下記記事で詳しく説明していますので、ぜひご確認ください。
お迎え後1週間はケージから出さずにゆっくりと過ごさせて
お迎えした後の最初の1週間は、可愛くてつい外に出してしまいたくなる気持ちもあるかもしれません。
しかし、うさぎは、警戒心の強い動物で、かつ、お迎えして1週間程度は家にはまだ慣れておらず、移動や慣れない環境で大きなストレスを抱えている状態です。
そのため、遊びたい気持ちをグッと堪えて、1週間程度は、ケージから出さずにゆっくりさせてあげる、うさぎにとっての居場所をしっかりと確立してあげることが大切です。
トイレトレーニングやしつけ
うさぎは、お迎えして1日目からトイレトレーニングが可能です。
トイレトレーニングについては、下記の記事で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
しつけについては、うさぎの習性として、物をかじる、マーキングでおしっこを飛ばすなどの行為が見られることがあります。
そういった行動をやめさせるのは難しいため、かじる習性が強い子には、噛り木などを与えましょう。
また、マーキングでおしっこを飛ばす子には、おしっこをする場所を念入りに掃除し消臭に努める、またはプラスチックの板などを使って掃除をしやすくするなどの工夫をしてください。
決してうさぎを怒らないように気をつけてくださいね。
食事の管理
生後半年までは、ペレットを食べ放題にして、半年以降は、決まった量を1日2回、朝と晩に分けて与えましょう。
また、牧草(チモシー)は、食べ放題にしてしっかり与えましょう。
おやつは、あげすぎは危険です。
きちんと食事管理をすることによって、うさぎも健康的に過ごせるでしょう。
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温度管理は徹底的に
うさぎは、外で飼われることもありますが、室内飼育が基本です。
うさぎの適温は、18度〜25度と言われており、それ以上の暑い空間にいると熱中症の危険性が高まります。
うさぎを飼い始めたら、温度管理を徹底するように心がけてください。
ミニロップがかかりやすい病気と対策方法
うさぎは、体調不良を隠す動物です。
少しでも放っておくと命の危険もあるので、飼い主が少しの変化にも気づいてあげることが重要です。
もし、病気の疑いがある場合は、自己判断せずに動物病院で詳しく診てもらうことをおすすめします。
中耳炎
ミニロップはたれ耳なので、耳の中に湿気が溜まりやすい状態です。
湿気が溜まると細菌も繁殖しやすく、中耳炎になりやすくなります。
もし、飼っているミニロップが、やたらと耳をかいていたり、飼い主が耳を見た時に膿が出ている、または臭いがする場合は、早めに動物病院を受診してください。
中耳炎は、悪化すると、上手く身体が動かせなくてふらつく行動が見られたり(眼振/ローリング)、首をかしげたような姿になる斜頸といった神経症状につながってしまいます。
中耳炎の予防には、耳の中を清潔に保つ必要がありますが、飼い主に耳の掃除は難易度が高いのが実情です。
そのため、うさぎ専門店や動物病院などにお願いして、正しくケアをして貰う必要があるでしょう。
また、部屋の湿度には気をつけ、40〜60%程度をキープし続ける努力が必要です。
熱中症
どんなうさぎでも、暑すぎたり湿度が高い状態が長く続くと、熱中症になります。
特に被毛の多いミニロップは、熱を放出することができず、放っておくと、最悪死ぬこともあります。
いつもよりも水を多く飲んでいたり、ぐったりしていることがあれば、すぐに病院を受診しましょう。
毛球症
ミニロップに限らず、うさぎは、毛づくろいをした時に飲み込んだ毛が胃の中に溜まって、球状になり、消化管を詰まらせやすくなっています。
毛でつながったフンが出ている間は良いですが、徐々に小さいフンになり、悪化するとフンがでなくなります。
胃の中にガスが溜まると、お腹が痛くなり、身体を丸めてじっとしていたり、歯ぎしりをしています。
この時点で食欲も低下しているため、うさぎの胃腸が動かなくなると、死に至ることもあるため、早めの動物病院への受診が必要です。
毛球症の予防には、定期的なグルーミングが必要です。
できれば消化管によく効くサプリメントなども併用し、日々の排泄を促すことが重要となります。
ミニロップの特徴や性格まとめ
ミニロップは
- 人懐っこい性格をしている
- 平均寿命は7〜10年。最近は、ご長寿うさぎも増えてきている
- 平均価格は5万円程度
- たれ耳のため、耳の病気は要注意
という特徴を持っています。
もしミニロップを飼うようになったら、人懐っこい性格から、飼い主の後をついてきたり、いつもそばに寄り添ってきたりと、良いパートナーになってくれるでしょう。
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