うさぎの歯は、一生伸び続けます。
不正咬合は、どんな病気なのでしょうか。
この記事では、不正咬合の原因や症状、予防法などを解説しています。
うさぎの病気に多い不正咬合とは?
不正咬合とは、うさぎの歯が伸びすぎてしまい、かみ合わせがおかしくなってしまう病気のことを言います。
うさぎの歯は、前歯(切歯)が6本、奥歯(臼歯)が22本あり、すべて一生伸び続けます。
普段は、硬いチモシーなどの草を食べて粗しゃくし、この歯をすり減らしながら健康を保っています。
不正咬合になると、食べられなくなるだけでなく、様々な問題を引き起こし、放っておくと死んでしまう病気です。
また、不正咬合には2種類あります。
切歯の不正咬合
うさぎの前歯に当たる切歯は、上顎に4本、下顎に2本の計6本あります。
正常な切歯は、上の歯が下の歯に少しかぶさっている状態です。
しかし、何らかの原因で不正咬合になると、歯の長さを調節できないために、上の歯は内側に丸まって伸びていき、下の歯は、外側に向かって伸びていきます。
ひどくなると、歯が唇や頬に刺さってしまうこともあります。
臼歯の不正咬合
うさぎの奥歯に当たる臼歯の22本のかみ合わせが悪い状態を指します。
臼歯は、牧草などの硬い植物の繊維をすりつぶす働きがあります。
しかしながら、柔らかい食べ物や繊維質の少ない食べ物、切歯(前歯)ばかりで食べられるものを与えていると、臼歯が使われることなく、うまく削れないことがあります。
最初のうちは小さなズレだったとしても、次第にそのズレは大きくなり、頬や舌を傷つけてしまいます。
さらに、臼歯の不正咬合は切歯の伸び過ぎや不正咬合にもつながることがあります。
また、噛み合わせが正しかったとしても、削れない場合は、常に歯が伸び続けるため、今後は目や顎の方に伸びてしまうこともあります(歯根膿瘍)。
不正咬合の原因
不正咬合は、うさぎの食生活や生活習慣などによって、どんなうさぎでもかかる可能性があります。
特に、不正咬合の原因と言われているのが、以下のような環境にある場合が多いようです。
切歯と臼歯共通の原因
- 先天性(小型のうさぎによく見られる)
- カルシウムとリンのバランス、ビタミンDの欠乏
- ペレットやおやつのあげすぎ
- 老化で噛み合わせが悪くなった
- 歯根が細菌感染し、正常な歯が作られなくなった
切歯の不正咬合の場合
- ケージや硬すぎる木をかじり続けて歯に負担がかかる
- 怪我で顎が損傷したり、歯が折れてしまった
- 臼歯の不正咬合
臼歯の不正咬合の場合
- 牧草を好んで食べなかったり、柔らかい部分ばかり食べる
飼育環境で予防できることも多いため、不正咬合にならないような環境づくりを目指しましょう。
不正咬合の症状
健康的な歯の場合、上の歯が下の歯に被さっています。
前歯(切歯)の場合は、飼い主でも確認することが可能ですが、奥歯(臼歯)は難しいため、定期的に動物病院で健康診断を受けて確認しましょう。
不正咬合になるとどのような症状が現れるのでしょうか。
いつもより食べない、柔らかいものばかり食べる
かみ合わせが悪くなると、うさぎ自身が口の中を傷つけてしまい、あまり食べなくなったりすることがあります。
また、柔らかく食べやすいものばかり食べたり、一旦口に咥えたものをすぐに落としてしまったりします。
さらに悪くなると、匂いだけ嗅いで、食べなくなってしまうことも。
うさぎは24時間胃腸を動かして生活しています。
24時間食事が取れないと死んでしまうため、早めの病院への受診が大切です。
また、似たような症状で、食欲不振や胃腸うっ滞(毛球症)の可能性もあります。
よだれが出ている、前足が汚れている
うさぎのあごがよだれで濡れていたり、触らせるのを嫌がる場合は、不正咬合の可能性が高いです。
グルーミングがうまくできないため、顎下が乾いてゴワゴワになっていることも。
また、よだれが垂れていなくても、うさぎ自身がキレイにしようとして、よく顔を前足で拭いているのであれば、前足が汚れていることがあります。
湿気が溜まって顎下が湿性皮膚炎になっていることもあります。
涙が止まらない、目が出ている、鼻水が出ている
うさぎの歯は上下についていますが、上の歯が伸び続けてしまうと、鼻涙管を圧迫して、涙や鼻水の原因になります。
また、歯が内側から圧迫して眼球が飛び出てくることも。
糞が小さくなる
不正咬合になると、あまり食べられなくなるため、腸内バランスが乱れてしまい、糞が小さくなったり、量が減ることがあります。
また、食欲がない状態が続くと、胃腸うっ滞を起こしかねないため、早めに動物病院で原因を探る必要があります。
不正咬合の予防方法
飼い主ができる不正咬合の予防方法は大きく2つあります。
牧草中心の生活にしよう
なんといっても、牧草中心の生活にするのが、うさぎにとって一番健康的な食習慣です。
柔らかいものやペレット、おやつが大好きなうさぎは、その時間を待って、牧草を食べなくなってしまうことがあります。
そのため、お腹を空かせる時間を作り、その時間は牧草しかない状態を作る、ペレットやおやつの量を減らすなどの工夫をして、牧草を食べてもらうようにしましょう。
本来であれば、栄養価も高く、しっかりとした茎のある一番刈りチモシーを食べてもらうのが一番ですが、うさぎによっては、好まない場合もあります。
そういった場合には、産地を変えて与えてみたり、様々な牧草を与えてみて、食べる牧草を探していきましょう。
牧草は、お試しセットで手に入れることも可能です。
ケージのガジガジやかじり木を与えすぎに注意しよう
ケージやかじり木のガジガジは、ほとんどの場合ストレス解消で行っています。
また、ケージをガジガジすることで、飼い主の気を引けると分かっているのかもしれません。
かまってほしいうさぎの場合は、ケージをガジガジする前に出し、思う存分遊んだりすることで、ストレス解消でき、ガジガジするのが少なくなっていくこともあります。
また、フェンス型のかじり木をケージにつけることで、ケージを直接噛まないように工夫してあげることもできます。
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かじり木は、歯の伸び過ぎを予防するためのものではなく、あくまでもストレス解消用です。
あまり硬い木ばかり噛んでいると、逆に噛み合わせが悪くなり不正咬合を引き起こすこともあるため、与えすぎには注意しましょう。
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もし不正咬合になってしまったら…
うさぎの不正咬合は一度なってしまうと継続的な治療が必要な病気
うさぎの不正咬合は一度なってしまうと、ほとんどが繰り返しなってしまう病気です。
繰り返すと、定期的に歯切りをしないと生活できなくなります。
歯切りは、麻酔をかけて行うこともあり、高齢になると、麻酔からの目覚めも心配になります。
もしも、大切なうさぎが不正咬合の疑いがあると思ったら、迷わず動物病院を受診して、適切な処置と治療を受けましょう。
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