うさぎは、もふもふな毛を持っていることから、適正体重を大幅に超えていたり痩せていても気づかなかったりすることがあります。
この記事では、肥満の原因や理想的な体型を知る方法、そして肥満予防やダイエット方法などを解説しています。
うさぎの「肥満」は飼い主が気づきにくい?
うさぎの肥満は、もふもふの毛に覆われていて気づきにくいと言われています。
また、「少しくらいぽっちゃりしていたほうがうちの子はかわいい」という飼い主さんもいるほど、気づかれにくいのが肥満です。
肥満は、様々な病気を引き起こす原因にもなります。
思わぬ体調不良を起こさないためにも、うさぎの適正体重を守ることが大切です。
うさぎの理想的な体型を知る方法
うさぎの理想的な体型は、うさぎごとに違います。
人間と同じように、うさぎも一羽ずつ骨格が違うので、種類によってざっくりとした標準体重はありますが、そこに当てはまらないうさぎもいます。
一度動物病院に行って、飼っているうさぎが理想的な体型をしているかを確かめてみましょう。
健康診断などで、獣医さんに「体型はどうですか?(太っていますか?痩せていますか?)」と質問すると答えてくれます。
とは言え、飼い主自らでもある程度見分ける方法もあります。
この画像は、うさぎの見た目と触った状態から確認する方法です。
引用元:http://www.therabbithouse.com/diet/rabbit-weight.asp
痩せすぎ〜標準〜太り過ぎまで5段階で表現されています。
(1)痩せすぎ
- 背骨、肋骨、股関節がシャープで突出していて、肉がないように見える
- 背骨の周りにくぼみがある
- 脂肪や筋肉の量が現象すると、手足が細く骨ばっているように感じたり、運動能力が低下することがある
(2)痩せている
- 触ると背骨、肋骨、股関節を感じやすい
- 脂肪と筋肉が少ない
(3)標準
- 首から尾、腰からお尻にかけてのなめらかな曲線がある
- 触ると、背骨、肋骨、股関節は感じやすいが、とがってはおらず、脂肪は厚手の布のように覆っていて、丸みを帯びている
- メスの場合は、マフマフ(肉垂)をそっとつまんだ時に、皮膚の折り目のように感じられる
(4)太っている
- 肋骨や背骨、股関節を感じるためには圧力をかける必要がある
- 全体的に丸みを帯びていて、しっかりとした脂肪があるように感じる
- メスの場合は、大きなマフマフ(肉垂)があり、つまむと脂肪の塊のように感じることがある
(5)太り過ぎ
- 肋骨、背骨、股関節を感じるのは難しい
- 足首、しっぽ、首周りに脂肪がつき、お腹がたるんでいる
- 身体を自由に動かすことができない
さて、飼っているうさぎは、どの体型でしょうか。
見て触って確認してみてくださいね。
肥満の原因
肥満は、どんなうさぎでもなる可能性があります。
うさぎは一般的には、自分で食べる量の調整が出来ないと言われています。
そのため、飼い主が適正な量を与える必要があります。
肥満の原因として挙げられるのは、以下のような場合が多いとされています。
- うさぎが欲しがるからと言って、ついついおやつを多めに与えてしまう
- ペレットが適正の量以上あげている
- 主食の牧草、副食のペレット、補食のおやつと言われるバランスが取れていない
うさぎも人間と同様に、バランスの良い食事と量を心がけるのが大切ですね。
肥満で起こる症状
ちょっとぽっちゃりしていてかわいい、という印象の強い肥満ですが、うさぎの肥満は別の病気や栄養失調などを引き起こす原因になります。
食糞ができなくて栄養失調に…
うさぎにとって大切な食糞。
盲腸糞という特別な糞には、タンパク質やビタミンB群など、うさぎにとって重要な栄養素を含んでいます。
しかし、肥満になると、お尻に口をつけて食べることができなくなってしまうので、この栄養素をそのまま捨ててしまうことに。
そういったことが続くと、太っているのに栄養失調になるという残念な結果になります。
さらには、お尻周りも汚くなり、掃除するのも大変です。
足腰に負担がかかると、怪我が増えたり、皮膚炎を起こす
肥満になると、人間と同様に足腰に負担がかかります。
そうすると、筋肉や靭帯の怪我が増えたり、動かないことで皮膚炎を起こしたりすることがあります。
代表的な皮膚炎は、ソアホックと湿性皮膚炎です。
うさぎ自身の重みだけでソアホックになるというのは、なんとしても避けたいものですね。
湿性皮膚炎は、特にメスのマフマフ(肉垂れ)が肥満とともに大きくなって、湿気が溜まりやすいため、なりやすくなります。
脂肪肝
人間でも中性脂肪が増えると起こる脂肪肝。
もちろん、うさぎでもなります。
脂肪肝は別の病気も併発する恐れがあることから、早めの対応が必要です。
糖尿病
人間でも起こる糖尿病。
もちろん、うさぎでもなります。
甘いものが好きなうさぎは、適正体重を守っていたとしても糖尿病になる恐れがありますので、気をつけましょう。
うっ滞が起きやすくなる
脂肪が増えることによって、動きが鈍くなっていき、さらには胃腸の働きも悪くなるため、うっ滞も起きやすくなります。
手術時の麻酔量の増加や手術自体が難しくなる
うさぎが肥満になると、心肺機能の負担が大きくなります。
手術のときには麻酔を使いますが、心肺機能に注意しなくてはいけません。
肥満になると、麻酔にかかりにくく、そして覚めにくくなります。
麻酔にかかりにくいということは、麻酔量が多くなる傾向にあるのです。
麻酔量が増えるということは、その分だけ手術のリスクが高くなることを指します。
また、脂肪が多いことで、手術を難しくしてしまうのです。
肥満の予防方法
飼い主ができる肥満の予防方法は、2つあります。
以下の方法は、生後半年までのうさぎには適切ではありませんので、ご注意ください。
体重管理をする
うさぎを体重計に乗せたのはいつでしょうか。
少なくとも半年に一回程度は、動物病院などで体重を測り、適正体重をキープしているかどうかを確認しましょう。
うさぎは、生後半年で大体の成長が止まります。
そのため、生後半年を過ぎたら、生後半年頃の体重をキープしていくのが良いでしょう。
食事の量を適切にする
大人になったうさぎは、まずはチモシーを主食とし、副食のペレットは体重の3%以下に落としていきましょう。
成長期と同じ量のペレットを与えていると、確実に肥満の原因になります。
また、成長期から与えていたペレットを少しずつ維持期専用のペレットに変える必要性も出てくるでしょう。
なぜならば、成長期に与えていたペレットはアルファルファというマメ科の牧草を主原料としていてカロリーが高い傾向にあります。
維持期のペレットは、チモシーを主原料としていることが多いため、カロリーも少ない傾向があるためです。
おやつは、ご褒美程度に、人間の小指の第一関節分程度で十分です。
また、甘いものから、乾燥野菜や生野菜に切り替えていくことも必要でしょう。
もし太っていたらダイエットをしよう
うさぎの肥満は、気づきにくいかもしれませんが、少し太っているなと感じたらおやつを少し控えてみるなど、できることは多くあります。
うさぎのダイエット方法
1:動物病院で肥満度を確認してもらう
まずは自己判断をせずに、かかりつけの獣医師に、肥満なのかどうか、ダイエットが必要かどうかを確認してもらいましょう。
独断で、太ってもいないのに、ダイエットをさせてしまうと、栄養失調などにつながる恐れもあります。
2:肥満の解消方法を獣医師と話し合う
ダイエットの方法を獣医師と話し合いながら進めていきましょう。
改善項目を行うことで、徐々に適正体重に近づけていくことができると思います。
3:ペレットの量とおやつの量は適切な量に変更
ペレットの量とおやつの量は、獣医師の指示に従い、適切な量を与えましょう。
「おやつは禁止」などが出ていると、欲しがるうさぎと飼い主にはきついダイエットになるかもしれませんが、グッと気持ちを抑えて頑張りましょう。
4:家でも体重測定を
家でも定期的な体重測定をするのがおすすめです。
週に1度程度測ることで、体重の変化を少しずつ感じられるようになるでしょう。
太ったなと感じたら、早めの食生活の見直しを
肥満は、うさぎの体に大きな負担をかけてしまいます。
少し太ってきたなと感じたら、食生活を少し変えるだけで、すぐに元通りになることもあります。
飼い主が適切な食事量をコントロールすることは、うさぎの健康寿命を長く保つことに繋がります。
ぜひ、おやつの与えすぎなどは控え、大切なうさぎの健康を守りましょう。
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