うさぎの腸毒素血症は、どんな病気なのでしょうか。
この記事では、うさぎの腸毒素血症の原因や症状、予防法などを解説しています。
うさぎの腸毒素血症とは?
うさぎの腸毒素血症とは、腸内にクロストリジウム菌が増えることによって起こる病気で、クロストリジウム症とも呼ばれています。
クロストリジウム菌は、健康なうさぎの腸内にも存在しますが、腸内環境のバランスが悪くなると、異常に増えることがあります。
増えたクロストリジウム菌がエンテロトキシンという毒素を作り出し、全身をめぐることによって、腸毒素血症を引き起こすのです。
生後5週間〜8週間頃の子うさぎに起こりやすい病気ですが、大人のうさぎでもかかります。
腸毒素血症の原因
子うさぎの場合
子うさぎが母乳を飲んでいるときは、母乳で守られています。
しかし、だいたい生後4週〜6週間でその免疫はなくなってしまいます。
また、うさぎは、基本的に胃の中は酸性なのですが、子うさぎの頃は中性程度のpHです。
そのため、原因菌が死滅しないまま腸に運ばれてしまい、腸内環境が乱れてしまうのです。
さらに、子うさぎの時期に新しい食べ物をたくさん与えたり、繊維質が少ない食べ物を食べ過ぎたり、ストレスがある環境を作ってしまうと、腸内環境が不安定になって、腸毒素血症が起きやすくなります。
大人のうさぎの場合
大人のうさぎの場合は、子うさぎと同様に繊維質の食べ物の不足、新しい食べ物に急激に変えてしまうこと、甘いものやデンプン質を大量に摂取していることなどが原因になります。
腸毒素血症の症状
健康なうさぎは、一日中胃腸が動いており、腸内環境のバランスも整っています。
腸毒素血症になると、どのような症状が現れるのでしょうか。
食欲の低下
腸毒素血症になると、食欲の低下が見られます。
胃腸うっ滞の前兆か、腸閉塞、もしくは腸毒素血症になっている可能性があるため、早めに動物病院につれていきましょう。
子うさぎの場合は特に症状が進みやすいので、気をつけてください。
同じ場所でずっとうずくまっている
うさぎは、捕食動物のため、周りに体調の変化を感じさせないようにしています。
同じ場所で長時間動かない場合は、お腹が痛いことを疑ってみると良いかもしれません。
特に、いつもは足を投げ出して寝そべっているうさぎが、長時間丸まって座っているなら、うっ滞や腸閉塞、腸毒素血症の可能性もあります。
下痢をする
腸毒素血症にになると、水のような下痢をします。
脱水症状も見られるようになるため、早めの動物病院での対応が求められます。
発熱がある
うさぎの発熱は、飼い主には気づきにくいものですが、動物病院に行って熱を測ってみると、発熱してぐったりしていることもあります。
腸毒素血症の予防方法
飼い主ができる腸閉塞の予防方法は大きく2つあります。
牧草中心の生活にしよう
なんといっても、牧草中心の生活にするのが、うさぎにとって一番健康的な食習慣です。
柔らかいものやペレット、おやつが大好きなうさぎは、その時間を待って、牧草を食べなくなってしまうことがあります。
そのため、お腹を空かせる時間を作り、その時間は牧草しかない状態を作る、ペレットやおやつの量を減らすなどの工夫をして、牧草を食べてもらうようにしましょう。
本来であれば、栄養価も高く、しっかりとした茎のある一番刈りチモシーを食べてもらうのが一番ですが、うさぎによっては、好まない場合もあります。
そういった場合には、産地を変えて与えてみたり、様々な牧草を与えてみて、食べる牧草を探していきましょう。
牧草は、お試しセットで手に入れることも可能です。
食べ物を変える時は少量ずつ時間をかけて与える
特に子うさぎから大人のうさぎになるに従って、ペレットも子供用から大人用へ変わっていきます。
一気に変えるのではなく、少しずついつものペレットに入れて、慣らしていきながら、量の調節をする必要があります。
大人のうさぎでも同様に、ペレットを変えることがあれば、徐々に変えていきましょう。
糖質やでんぷん質の多いものは与えすぎないようにする
糖質の代表はフルーツです。
フルーツはうさぎも大好きで、たくさん食べたがりますが、腸内バランスを崩す要因になりかねません。
そのため、ご褒美程度にしておくことが大切です。
一週間に1回程度などと決めて、与えすぎには気をつけましょう。
でんぷん質は、ペレットにも入っており、デンプンの粘り気によって、形をつくっています。
そのため、デンプンを全部抜くというのはかなり難しいのが実情です。
なので、でんぷん質の多い野菜を与えないようにする、でんぷん質が多く入っているおやつを与えないようにするなどで対応していきましょう。
ストレスがかからない生活を心がける
突然新しい環境で暮らすことになった、大きな音がする、構いすぎている(もしくは突然構わなくなった)など、無意識のうちにうさぎにストレスを与えることで、腸内環境が乱れることがあります。
うさぎにストレスを与えないためにも、騒音やかまいすぎ(かまわなさすぎ)には気をつけましょう。
もし腸毒素血症が疑われたら…
うさぎの腸毒素血症は、早期に対応しないと死んでしまう症状
うさぎの腸毒素血症は、子うさぎの場合、特に早めに対処しないと、死につながる症状です。
もしも、大切なうさぎが腸毒素血症の疑いがあると思ったら、迷わず動物病院を受診して、適切な処置と治療を受けましょう。
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