1羽1羽違うまだら模様のあるうさぎのブロークンカラーは、なんとも個性的ですよね。
この記事では、そんなブロークンカラーの特徴と、チャーリーとの違い、ブロークンとチャーリーの遺伝についても解説しています。
うさぎのブロークンカラーとは
ホワイトを基本色に、ARBA公認のカラーが耳、目の周り、鼻にまだらにある色のことをブロークンカラーと言います。
カラーの比率が10%以下は「チャーリー」と呼ばれ、70%以上は「booted」と呼ばれます。
ブロークンカラーの主な種類
- ブロークンブラック
- ブロークンブルー
- ブロークンチョコレート
- ブロークンライラック
- ブロークンオレンジ
- ブロークントータス
- ブロークンクリーム
などなど
一羽一羽まったく違うぶち模様をしているので、個性があってかわいいですね。
ブロークンカラーが生まれるうさぎの品種
- アメリカンファジーロップ
- フレンチアンゴラ
- サテンアンゴラ
- ブリタニアプチ
- ハバナ
- ホーランドロップ
- ジャージーウーリー
- イングリッシュロップ
- フレンチロップ
- ミニロップ
- ミニレッキス
- ミニサテン
- ネザーランドドワーフ
- ニュージーランド
- ポリッシュ
- レッキス
- サテン
- イングリッシュスポット(もともとまだら模様の品種)
- チェッカードジャイアント(もともとまだら模様の品種)
などが挙げられます。(リンク先は取り扱いのあるお店に遷移します)
日本ではほとんど知られていない品種もいるので、どんな見た目なのか気になるうさぎもいるのではないでしょうか?
チャーリーとは
ホワイトを基本色に、ARBA公認のカラーが耳、目の周り、鼻にまだらにある色で、全体におけるカラーの比率が10%以下の場合に「チャーリー」と言われています。
チャーリーという呼び名は、髭の形が似ていることから、チャーリー・チャップリンから来ているそうです。
チャーリーには遺伝子疾患の「メガコロン(巨大結腸症)」がある可能性が高い
実は、カラーの比率が10%以下だと、メガコロン(巨大結腸症)という遺伝子疾患を持っている可能性がグッと上がってきます。
真のチャーリーのうち、15匹中15匹(100%)にメガコロンがあった、という話が論文にもあるほど、チャーリーでは高確率で気をつけなければいけない遺伝子疾患です。
メガコロン(巨大結腸症)は、その名の通り、結腸付近の腸壁が分厚くなってしまう病気です。
若い頃から発症することが多く、メガコロンを持っているうさぎの多くは、短命であることが知られています。
ブロークンとチャーリーの違い
カラーの比率が10%以下なら全部チャーリーなのか?
さて、上記に恐ろしいことを書いてしまいましたが、実際にカラーの比率が10%以下なら、すべてのうさぎがメガコロンになってしまうのかというと、答えはNOです。
偽のチャーリーも存在することは確かで、見た目ではブロークンなのかチャーリーなのかは飼い主では見分けがつかないことがあります。
ただし、遺伝子を調べれば偽のチャーリー(真のブロークン)なのか、真のチャーリーかは一目瞭然なのです。(そこまで調べているブリーダーは少ないでしょうし、ブリーダーでもチャーリーだと気づかないこともしばしばあります)
しかし、どうにか見分けようとするなら鼻の部分の色のマーキング具合と、毎日の糞の状態になります。
鼻の部分の見分け方
鼻のマーキングが蝶のようにしっかりとしたマーキングになっていることです。
チャーリーの場合は、めったにしっかりとしたマーキングがないようです。
引用元:Nature Trail
毎日の糞の状態
メガコロンを発症しているうさぎの一般的な糞の状態は、粘液で覆われていることが多く、雫状になっていたり、2個か3個くっついたような長方形型の糞をしていることがあります。
引用元:wabbitwiki
ブロークンとチャーリーが生まれるかんたん遺伝子学
ブロークンカラーは、均一な色を持つソリッドと、まだら模様の遺伝子を持つブロークンで構成されています。
ここからはメンデルの法則に従って見ていきましょう。
均一な色同士(ソリッド x ソリッド)
ブロークンな遺伝子は持っていないので、均一な色(ソリッド)のみが生まれます。
ブロークンと均一な色(ブロークン x ソリッド)
ブロークンはEn-enという遺伝子を持っているので、en-enのソリッドと交配すると、Enが優勢遺伝子(顕性遺伝子)のため50%の確率で、ブロークンとソリッドに分かれます。
ブロークン同士(ブロークン x ブロークン)
ブロークン同士だと、En-Enという遺伝子で、25%の確率でチャーリーが生まれます。
そのほか、50%の確率でブロークン、25%の確率でソリッドが生まれます。
チャーリー同士(チャーリー x チャーリー)
チャーリーが100%生まれます。(このブリードは推奨できません)
チャーリーと均一な色同士(チャーリー x ソリッド)
100%ブロークンになりました。
チャーリーが必要とされるのには、こういった事情が含まれています。
しかしながら、このブリードは効率重視と言わざるを得ません。
チャーリーを必要とする正当な理由にはならないと言えるでしょう。
ブロークンとチャーリ同士(ブロークン x チャーリー)
ブロークン50%、チャーリー50%の確率で生まれます。
飼い主が、飼っているうさぎがチャーリーかも…と思った時にできること
飼っているうさぎのまだら模様が少ないと不安になってしまいますよね。
しかし、すぐに慌てる必要はありません。
毎日の糞のチェックを欠かさないこと
真のチャーリーの場合、糞の大きさがまばらで粘液で覆われた糞が出たり、雫状、または、2個か3個固まったような長方形型の大きさのものが出ることを多いため、毎日糞の大きさを確認していきましょう。
高繊維質な牧草とミネラルとビタミンを摂取できるようにすること
メガコロンは、腸壁からミネラルやビタミンなどを摂取しにくくなっている、と言った機能の消失が見られるそうです。
そのため、高繊維質な食事はもちろん、ミネラルやビタミンをサプリメントからも摂取させながら、少しでも良い腸内習慣を保つ努力が必要です。
少しでも気になったら動物病院で精密検査をしてもらうこと
飼っている子はどうだろう…と心配をしすぎたり、自己判断はせずに、動物病院で精密検査をしてみることも重要です。
まずは、うさぎの腸のエコー検査ができる動物病院に足を運んでみてください。
エコー検査で腸壁が厚くなっている部分(おそらくメガコロン)が見つかることもあります。
ただし、うさぎが診られるからと言って、この病気のことを詳しく知っている獣医師はほとんどいないと言ってもいいでしょう。
また、現在の獣医学では、メガコロンを完治することはできていません。
効率重視でチャーリーを増やさない努力が必要
中には、どうしてもチャーリーを避けて通れないこともあるかもしれません。
しかし、メンデルの法則通りであれば、うさぎの品種の多くは、チャーリーを避けていくことができます。
そのため、うさぎを販売する側も飼う側も知識を蓄えながら、チャーリーを増やさない努力をみんなでしていくことが大切だと言えます。
また、もし、チャーリーに該当するようなうさぎを飼っていたとしても、そのことを飼い主が受け止め、うさぎと楽しく過ごせる時間を充実させていくことが大切ですね。
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