うさぎのパスツレラ感染症は、どんな病気なのでしょうか。
この記事では、うさぎのパスツレラ感染症の原因や症状、予防法などを解説しています。
うさぎのパスツレラ感染症とは？
うさぎのパスツレラ感染症とは、パスツレラ菌の感染で起こる病気です。
うさぎにとても多い病気の一つになります。
パスツレラ菌は60％〜70％の割合で、鼻腔・副鼻腔に存在している菌で、基本的にうさぎの健康状態が良好であれば発症しない病気です。
パスツレラ菌にも色々なタイプがあり、軽いものから重い病原性を持つものまであります。
また、パスツレラ菌は、犬や猫も保菌しており、噛まれたり引っかかれたりすることによって感染することもある病原菌です。
人にも感染する、共通感染症です。
免疫不全の人間が感染すると、蜂窩織炎（ほうかしきえん）や敗血症を起こすことがあります。
パスツレラ感染症の原因
うさぎのパスツレラ感染症の原因は、様々なものが挙げられます。
- ストレスなどでの免疫力の低下
- 飼育環境が悪い・不衛生である
- 同居している動物から移る（飛沫感染、接触感染）
- 母うさぎのお産の時、または、子うさぎへの授乳の時
- 交尾
さらに、パスツレラ菌は、様々な病気の引き金になります。
パスツレラ菌は、気管から肺に行ったり、鼻を通り目に行ったり、耳管を通って中耳・内耳・または脳に行くこともあります。
さらには、血管を通り、心臓や生殖器、皮膚などへと全身に感染が広がる可能性もあります。
歯根膿瘍の原因菌でもあります。
日頃からストレスをかけたりせず免疫力の高い生活を心がけたいものです。
パスツレラ感染症の症状
パスツレラ感染症になると、どのような症状が現れるのでしょうか。
くしゃみ、鼻水が出る
パスツレラ感染症になると、初期症状としてくしゃみと鼻水が出ます。
特に鼻水は、最初のうちはさらさらした水っぽいものですが、症状が進行するとともに、白っぽかったり黄色っぽい鼻水が出てきます。
鼻水をうさぎ自身の前足でキレイにしようとするため、前足が汚くなったりもします。
涙が出る
パスツレラ感染症になると、涙が大量にでることがあります。
白っぽい目やにがたくさん出てきたり、悪くなると、結膜炎や角膜炎を引き起こすことも。
かさぶたができる
赤くなったり水ぶくれになった部分が進行すると、顔周りにかさぶたができてきます。
痒がったりすることはありませんが、鼻周りのかさぶたは、くしゃみが見られることがあるようです。
トレポネーマ症の症状でもあります。
鼻が詰まって食欲不振になることも
パスツレラ菌が鼻管にある状態では、鼻が詰まることもあり、嗅覚が弱くなったり、呼吸がしにくくなることで、食べるのが大変で食欲が落ちてしまうことがあります。
中耳炎や斜頸の原因になることも
パスツレラ菌が内耳や中耳に感染すると、内耳炎や中耳炎や斜頸、眼振の原因になることもあります。
肺炎の原因になることも
パスツレラ菌が肺に感染すると、肺炎になることがあります。
また感染が進んで開口呼吸をするようになると、大変重篤な状態です。
膿瘍ができることがある
パスツレラ菌が感染している場所に膿瘍ができることがあります。
代表的な例だと、歯根膿瘍や皮下膿瘍があります。
パスツレラ感染症の予防方法
飼い主ができるパスツレラ感染症の予防方法は大きく2つあります。
部屋を清潔に保とう
トイレは毎日お掃除を行い、清潔に保ちましょう。
床やカーペット、ラグなどが汚れたと感じたら、拭き掃除や洗濯などを行い、きれいに保ちましょう。
うさぎは、湿気でジメジメした環境を好みません。
風通しの良い清潔な環境を心がけましょう。
高温多湿は、菌の繁殖も増長させます。
湿度を40〜60％程度に保てるようにケージ近くの湿度調節も必要です。
感染しているうさぎと触れ合わないようにする
明らかに感染しているうさぎとは接触させないようにしましょう。
同じ部屋で飼わないようにしたり、感染しているうさぎは最後に世話をして、人間が感染源を持ち込まないようにすることも大切です。
もしパスツレラ感染症が疑われたら…
うさぎのパスツレラ感染症は、飼育環境の改善が大切です。
もしも、大切なうさぎがパスツレラ感染症の疑いがあると思ったら、進行すると厄介な病気になることもあるため、軽度だと思っていても、迷わず動物病院を受診して、適切な処置と治療を受けましょう。
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